AI検索に出るための特別な作業は不要だと、Googleの公式ドキュメントに書かれています。AI Overviews(日本語名「AIによる概要」)やAIモードに出るための追加要件はありません。公式にあるのは露出を減らす設定だけです。増やすための設定は、2026年8月17日に確認した範囲では見当たりませんでした。
この分野は AIO、LLMO、GEO、AEO とも呼ばれます。重心の置きどころが少しずつ違います。
AIO と LLMO は、AIや大規模言語モデル全般に向けた最適化を指して使われます。GEO は、生成AIが作る回答に引用されることに重心を置いて使われます。AEO は、質問への答えとして出ることを指して使われます。
それぞれ次の略です。
- AIO = AI Optimization
- LLMO = Large Language Model Optimization
- GEO = Generative Engine Optimization
- AEO = Answer Engine Optimization
ただし、呼び分けには書き手によって幅があります。上の説明は「そう使われることが多い」という程度に読んでください。実務でやる作業は、どの呼び名でもほぼ重なります。
Googleの公式ドキュメントはこれらの呼び名を使いません。generative AI search(生成AI検索)と書いています。この記事では「AI検索最適化」で統一します。
やることを先に書きます。次の5つだけです。
1. 自社サイトを点検する(robots.txt・構造化データ・技術要件)
2. 構造化データは Organization から入れる
3. 評価の軸と、生成AIの使い方を決めておく
4. 自社ページをAIに読ませてみる
5. 外注する前に4つ質問する
手順は後半の「中小企業が実際にやることの順番」にまとめました。
なぜその5つなのかは、Googleの原文を突き合わせながら順に説明します。
この記事は下書きに生成AIを使い、出典の確認と最終判断は私がやりました。外部の仕様は2026年8月17日に確認したものです。
AI検索最適化とは何か
Googleは、AI検索に出るための追加要件はないと書いています。
There are no additional requirements to appear in AI Overviews or AI Mode, nor other special optimizations necessary.
(AI OverviewsやAIモードに表示されるための追加要件はなく、他に特別な最適化も必要ない。出典: AI機能とウェブサイト(Google公式ドキュメント))
同じ段落に「新しい機械可読ファイル、AI向けのテキストファイル、マークアップを作る必要はない」ともあります。マークアップとは、ページの内容を機械が読める形で書き添える印のことです。
ただし「何もしなくていい」ではありません。通常のSEOの土台があり、その上に追加の要件がないという意味です。
変わったのは、読まれる相手のほうです。私は自社の営業自動化を実演したことがあります。資料請求が入るとAIが折り返し電話をかけ、相手の会社のサイトから課題の仮説を立てる仕組みです。自社サイトは、人間の見込み客だけでなく他社のAIエージェントにも要約され、評価される側になりました。
「SEOはまだ有効か」への答え
Googleの別のドキュメントに「生成AI検索においてSEOはまだ有効か」という見出しがあります。答えとして書かれているのは「端的に言えば、有効です」の一言です。
この一文が答えているのは「SEOはまだ有効か」であって、「特別な最適化は必要か」ではありません。見出しごと読むと、答えている問いが違うと分かります。
理由も書かれています。Google検索の生成AI機能は、中核の検索ランキングと品質のシステムに根ざしています。結論はこうです。「生成AI検索への最適化は検索体験への最適化であり、依然としてSEOである」(生成AI最適化ガイド)。
通常のSEOが効く理由(RAGとクエリのファンアウト)
仕組みは公開されています。RAGは、検索インデックスから関連する最新のページを取ってきて回答を作る手法です。検索インデックスとは、検索エンジンがページを登録しておく索引のことです。
クエリとは、検索するときに入力する語句のことです。クエリのファンアウトは、モデルが関連する複数の検索を同時に生成し、追加の結果を集める仕組みです。どちらも入口が検索インデックスです。インデックスに入っていなければ、AI検索にも出ません。
土台になるのは従来どおりのコンテンツSEOの進め方です。
Search Console に現れ始めた会話文のクエリ
AIモードの日本語提供が始まったのは2025年9月9日です(Google Japan Blog(2025年9月9日))。同じ記事に、初期のユーザーは従来の検索クエリの2倍から3倍の長さの質問をしている、とあります。
当社の Search Console にも、それらしい記録が出はじめました。対象は 01start.co.jp のプロパティ、期間は2026年7月17日から8月14日までの28日間です。Search Console API で表示回数の多い順に上位250件を取り出しました。
会話文そのままのものが3件ありました。たとえば「aiを使って、プレゼン用のスライド資料をデザインから構成まで自動で作る方法は?」。各1表示ずつなので、主流になったとは言えません。

よく勧められる6項目を、公式ドキュメントと突き合わせる
「AI検索に出るために」と勧められる作業のうち、Googleが不要または効果が薄いと書いているものが6つあります。出典はすべて生成AI最適化ガイドです。構造化データとは、ページの内容を検索エンジンが読み取れる書式で書き添えたものを指します。
| AI検索対策として勧められる項目 | Googleの記述 |
|---|---|
| AI向けの機械可読ファイル・マークアップ | 作る必要はない。Google検索自身が使っておらず無視するので、作っても表示や順位を上げも下げもしない |
| コンテンツを細かく分割すること | AIの理解のために細切れにする必要はない |
| AI向けの特別な書き方 | 生成AI検索のためだけの書き方は要らない |
| 外部サイトでの作られた「言及」集め | 作られた「言及」を集めても、見かけほどの効果はない |
| 生成AI検索のための構造化データ | 必須ではなく、専用のスキーマもない。ただしSEO全体の一部としては使い続けるのがよい |
| ロングテールキーワード(検索数は少ないが具体的な語句)の網羅 | 足りない、拾えていないと心配する必要はない |
6項目は温度が違います。読み方に注意が要るところが2つあります。
1つ目は言及です。原文の inauthentic(真正でない、作られた)が要点で、戒められているのは実体のない言及づくりです。まっとうに紹介されること自体を否定してはいません。
2つ目は構造化データです。専用のスキーマ(構造化データの型のこと)もない、と書かれています。ただしこれは「生成AI検索には必須ではない」であって「不要」ではありません。同じ段落の次の文に、SEO全体の一部として使い続けるのはよい考えだ、とあります。
理由はリッチリザルト(検索結果に星やパンくずなどが付く表示)の対象になるためです。前半だけを引くと逆の意味になります。
検索バリエーションごとのページ量産にも注意が要ります。順位操作が主目的なら scaled content abuse にあたります。大規模なコンテンツの不正利用、という意味です。
廃止済みの構造化データ(FAQとHowTo)
FAQリッチリザルトは、2026年5月7日以降 Google 検索に表示されなくなりました。告知は変更履歴の5月8日のエントリです。ドキュメント自体も6月15日のエントリで削除されています。
HowToリッチリザルトは2023年9月13日で廃止済みです(HowToとFAQのリッチリザルトの変更(Google公式ブログ、2023年8月))。
分けておきたい点があります。本文中のQ&A(FAQセクション)とFAQPageの構造化データは別物です。廃止されたのは後者のリッチリザルト表示で、読者の疑問に答える本文を書くこと自体には関係ありません。
2026年8月17日にギャラリーの一覧を数えたところ、掲載は25型でした。FAQとHowToは含まれていません(構造化データの一覧(Search gallery))。一覧は変わるので、導入前にその時点のページを見てください。

Google-Extendedの対象範囲と、露出を減らす3つの設定
Google-Extended が、AI OverviewsやAIモードを制御する設定だと思われていることがあります。しかし公式ドキュメントを読む限り、そうとは言えません。
Google-Extended は製品トークンの1つです。製品トークンとは、クローラ(ウェブページを自動で巡回して集めるプログラム)を名指しするための識別子です。対象は Gemini アプリと Vertex AI での学習とグラウンディングだと説明されています。
グラウンディングとは、回答を作るときに外部の情報を根拠として参照させることです。同じページには、Google検索への掲載には影響しないとあります。ランキングシグナルとしても使われません(Googleのクローラとフェッチャーの一覧)。
Googleは、AI OverviewsやAIモードをこの設定の対象に含めるとは書いていません。「効かない」と明示的に否定した文もありません。Googleが対象に含めると書いていない以上、含まれる前提で運用しないでください。
AI機能のページの案内も別系統です。案内文は「Googleの他の一部のシステム」での学習とグラウンディングを制限する場合、という書き方です。そのうえで Google-Extended のページへ誘導しています。
減らす側の設定は3つあります。
- いま見た Google-Extended
- Search Console の生成AIコントロール
- スニペット(検索結果でタイトルの下に出る抜粋)の制御
Search Console の生成AIコントロール
生成AI機能への表示は Search Console から制御します。項目名は「Search generative AI control」です。選べるのは3つです。
- `Include content`(含める。既定)
- `Exclude content`(除外する)
- `Inherit from parent`(上位の設定に従う)
除外は1日から2日で反映されます。この設定は検索の他の部分のランキングや掲載には使われず、AIの学習にも影響しません(Search Console ヘルプ)。ただし除外すれば、生成AI機能からの表示回数もトラフィックも得られません。安全のためにとりあえず除外、という選び方は勧めません。
nosnippet と max-snippet の点検
robots メタタグの `nosnippet` が及ぶ範囲は広いです。ウェブ検索、画像検索、Discover、AI Overviews、AIモードのすべてが対象です。
抜粋の表示に加えて、AI OverviewsとAIモードの直接の入力として使われることも防ぐ、と明記されています。`max-snippet` も同じで、使われる量を制限します。
ページの一部だけ除くなら `data-nosnippet` を使います。span、div、section に付けられます(robots メタタグの仕様)。
`max-snippet:-1` が最も制限の少ない状態です。実務でやるのは、意図せず制限をかけていないかの点検です。過去にコピー対策として入れた記述が残っていないか。テーマやプラグインが自動で付けていないか。
スニペットの文言そのものを整えたいなら、メタディスクリプションの書き方の側で調整します。

学習用クローラと検索用クローラの出し分け
「AIに学習されたくない」と「AI検索には出たい」は両立します。各社がクローラを用途別に分けて公開しているからです。
| ボット | 会社 | 用途 |
|---|---|---|
| GPTBot | OpenAI | 生成AIの基盤モデルの学習 |
| OAI-SearchBot | OpenAI | ChatGPTの検索機能での掲載 |
| ChatGPT-User | OpenAI | ChatGPTやカスタムGPTでのユーザー操作 |
| OAI-AdsBot | OpenAI | ChatGPTに出稿された広告ページの安全性の確認 |
| ClaudeBot | Anthropic | 学習に寄与しうるコンテンツの収集 |
| Claude-User | Anthropic | 利用者の質問に応じたアクセス |
| Claude-SearchBot | Anthropic | 検索結果の品質向上 |
| PerplexityBot | Perplexity | Perplexityの検索結果での掲載 |
出典はOpenAI のボット一覧、Anthropic サポート記事、Perplexity のボット一覧です。Perplexity は PerplexityBot について、基盤モデルのための収集はしないと明記しています。
押さえるのは OAI-SearchBot の行です。OpenAI はこう書いています。
Sites that are opted out of OAI-SearchBot will not be shown in ChatGPT search answers, though can still appear as navigational links.
(OAI-SearchBot をオプトアウトしたサイトは、ChatGPTの検索回答に表示されない。ただしナビゲーションリンクとしては表示されうる)
オプトアウトは、拒否の意思表示をして対象から外れることです。ナビゲーションリンクは、回答の中で行き先を示すリンクとして出る形を指します。
OpenAI 自身が、robots.txt で OAI-SearchBot を許可することを推奨しています。robots.txt は、サイトの入口に置いて、どのクローラにどこを読んでよいかを示す設定ファイルです。ただし、従うかどうかは各社の判断に委ねられています。この点は後で詳しく書きます。
robots.txt を触る前に知っておくこと
robots.txt にクローラを名指ししたグループがあると、そのクローラはそちらだけを読みます。`User-agent: *` の指定は読みません。Googleの仕様に書かれています。
Only one group is valid for a particular crawler. User agent specific groups and global groups (*) are not combined.
(特定のクローラに有効なグループは1つだけ。名指ししたグループと全体向けのグループは結合されない。出典: Googleによる robots.txt 仕様の解釈)
クローラは自分の名前に最も具体的に一致するグループを1つ選び、他は無視します。ただしこれは、Googleが自社のクローラについて明記している解釈です。他社のクローラが同じように振る舞うと公式に書かれているわけではありません。
だからこそ、どちらの挙動でも安全な形にしておきます。ここから先はその前提で読んでください。
放っておくと実害になります。WordPress のサイトはたいてい次の形です。
User-agent: *
Disallow: /wp-admin/
Allow: /wp-admin/admin-ajax.phpここで「検索用クローラは明示して許可しておこう」と考えたとします。次を足すと、OAI-SearchBot は `*` のグループを読まなくなります。
# 危険な例(これは書かない)
User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /`*` 側で弾いていたパスが、そのクローラにだけ黙って開きます。管理画面、カート、サンクスページ、会員エリア、検証環境。エラーも警告も出ません。
気づけるのは、後日 robots.txt を読み直したときだけです。いちばん安全なのは書かないことです。記述のないクローラは `*` のグループに従います。`*` で許可している範囲はそのまま許可されるので、検索用クローラを通したいだけなら何も足さないのが正解です。
学習用のクローラを拒否する場合はこう書きます。このグループを作ると GPTBot は `*` の指定を読まなくなります。ただし全体を拒否しているので、意図とは矛盾しません。
User-agent: GPTBot
Disallow: /OpenAI の推奨に従って明示的に許可する場合は、`*` グループの中身をそのまま書き写します。`Allow` の行も含めます。
User-agent: OAI-SearchBot
Disallow: /wp-admin/
Allow: /wp-admin/admin-ajax.php限界もあります。ユーザーの操作で起動するフェッチャーには、robots.txt が適用されないことがあります。フェッチャーとは、利用者の指示でその場でページを取りに行く仕組みです。
ChatGPT-User は、動作がユーザー起点なのでルールが適用されない場合がある、とされています。Perplexity-User は、一般に robots.txt のルールを無視する、とあります。
そもそも robots.txt はインデックスを防ぐ手段ではありません。ブロックしたページも、説明文なしでURLが検索結果に出ることがあります。出したくないならパスワード保護か `noindex` です(robots.txt の概要)。

中小企業が実際にやることの順番
最初にやるのは、インデックスとスニペットの可否の確認です。費用はかかりません。
Googleの生成AI機能に出る条件は3つです。インデックスされていること、通常の検索結果でスニペット付き表示の対象であること、検索の技術要件を満たすことです。最初の2つは生成AI最適化ガイドとAI機能とウェブサイトに書かれています。
3つ目の技術要件は、次の3項目です。
- Googlebot がブロックされていないこと
- ページがエラーなく表示されること(HTTP 200 を返すこと)
- インデックス可能なコンテンツがあること
同じページに、誰が何と言おうとページを検索結果に載せるのに費用はかからない、と書かれています。ただし要件を満たしてもインデックスは保証されません(検索の基本事項(技術要件))。
手順1: 自社サイトを実際に見る
誰がやるか。サイトを管理している人が、その場で確認できます。
2026年8月17日に確認した時点で、当社サイト 01start.co.jp には不備が2つありました。
1つは robots.txt です。`Allow: /wp-admin/admin-ajax.php` の直後に改行がありませんでした。
`Sitemap:` の行が同じ行につながり、サイトマップの指定が独立した行として認識されない状態です。
もう1つは構造化データです。`application/ld+json` は、構造化データをJSON形式でページに埋め込むときの指定です。トップページと記事ページからこれを抽出したところ、0件でした。
canonical と meta description はあり、sitemap.xml は200で返っていました。canonical は、同じ内容のページが複数あるとき、どれを正とするかを示す指定です。meta description は、検索結果に出す説明文をページ側から指定するものです。
学習用・検索用の4つのボット名で試したところ、いずれもページは200でした。特別なことをやる前に、この点検です。私自身がやれていませんでした。
robots.txt は、この記事を書いたあとに直しました。改行を1つ入れるだけの作業でした。
手順2: 構造化データは Organization から
構造化データを入れるなら Organization が最初です。サイトを編集できる人が1回やれば済みます。必須のプロパティはなく、自社に当てはまるものを追加すればよいと書かれています。
置き場所はトップページか、自社を説明する1ページで足ります。会社概要のページで構いません(Organization の構造化データ)。
必須項目がないので、次に示すのは出発点になる最小の例です。`name` と `url` は自社のものに置き換えたうえで、ここから自社に当てはまるものを足します。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Organization",
"name": "株式会社サンプル",
"url": "https://example.com/"
}
</script>条件が1つあります。マークアップに含まれるすべての内容が、ウェブページ上でも見えるようにすること。Googleがそう書いています(AI体験で成果を出すための8項目)。
私はこの条件でつまずきました。この記事を書いたあと Organization を入れたのですが、置き場所をトップページにしたのです。当社のトップには、会社名も代表者名も住所も表示していません。マークアップにだけ書いてある状態でした。
会社概要のページへ移して、条件を満たしています。こちらは全項目が本文に出ているページです。置き場所は、項目が見えているほうを選んでください。
手順3: 評価軸と、生成AIで書くときの線引き
記事を作る担当と決裁者で、一度すり合わせておく話です。
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性という、Googleが品質の観点として示す4要素)は並列ではありません。Googleは、この4つのうち信頼が最も重要だと書いています。
続けて、他の3つは信頼に寄与するもので、すべてを示す必要は必ずしもない、とあります。4つを均等に埋めにいく解説をよく見ますが、公式は序列を付けています。
同じページには Who / How / Why の3問もあります。誰が書いたか、AI利用が開示されているか、なぜ作るのか。
3つ目の答えは、第一に人の役に立つためであるべきだとされています(役に立つ、信頼できる、人を第一に考えたコンテンツの作成)。E-E-A-Tの評価基準を見直すときは、ここを起点にしてください。
AI生成コンテンツそのものはガイドライン違反ではありません。違反になるのは、順位の操作を主目的として生成する場合です(AI生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス(2023年2月))。
判定の軸は、目的と読者への価値です。
2026年5月には、スパムポリシーが生成AI回答にも適用されることが明文化されました。根拠はスパムポリシーと、変更履歴の2026年5月15日エントリです。
自社で生成AIを使う場合のガイダンスもあります。基準を満たすこと、正確性と品質と関連性に集中すること、どう作ったかを読者に共有すること。
公開前の人間によるレビューは義務付けられていません(生成AIで作ったコンテンツの扱い)。それでも私は入れています。
著者名についての記述もあります。AIを著者のバイライン(記事に添える書き手の署名)にするのは最善の方法とは言い切れない、とされています。生成AI最適化ガイドは、自分が知っていることをもとに自分で作れ、ともあります。
ChatGPTを活用したコンテンツ生成のように手を動かす部分に使い、判断と経験の持ち込みは人がやります。この分け方が公式の記述と合います。
手順4: 自社ページをAIに読ませてみる
私はあるECのお客様との打ち合わせで、引用元が表示されるAI検索の使い方を実演しました。自社の商品ページのURLと商品画像をAI検索に渡し、競合他社の同種の商品と主要なスペックを比較させます。その結果から強みと弱みを整理し、キャッチコピーや訴求文言のパターンを複数出させました。
この手順は、そのまま自社の点検にも使えます。自社ページのURLをAIに読ませ、AIから自社がどう見えているかを確かめます。要約が的外れなら、人が読んでも分かりにくいページです。
手順5: 外注する前に4つ質問する
「AI向け構造化データ実装」「llms.txt 設置」「AI検索順位モニタリング」「AI向けコンテンツ分割」。こうした項目名は、それだけでは中身が分かりません。「LLMO対策」「GEO対策」という名前で提案されることもあります。
次の4つを聞いてください。
1. その作業が必要だと書いている公式ドキュメントはどこですか
2. この記事で挙げた6項目のどれかに当たりませんか
3. 順位や引用を計測するとき、何をどう観測していますか
4. 通常のSEOの作業と、この項目の作業はどこが違いますか
2つ目には注意が要ります。Googleが名指ししているのは「AI向けのテキストファイル」という一般名で、個別のファイル名ではありません。当たるかどうかは、発注先の説明と公式の記述を並べて判断してください。

AI検索最適化の効果の測り方と、まだ測れないもの
測れるものは限られていて、GoogleとBingで中身が違います。
GoogleとBingで測れるもの
2026年6月3日に、Search Console の生成AI機能のパフォーマンスレポートが発表されました。指標は表示回数、ページ、国、日付の4つです。デバイスは検索機能でのみ見られ、Discover には適用されません。
クリックやCTR(表示に対するクリックの割合)、平均掲載順位はヘルプに記載がありません。
段階提供中でもあります。「このレポートを一部のサイト所有者に展開しています」と書かれています。自社のアカウントに出ているかを先に見てください(発表記事、Search Console ヘルプ)。
AI機能のデータは全体のレポートにも合算され、別枠では出ません。「AI Overviews のせいで数字が落ちた」と読む前に、どちらの数字を見ているかを確かめてください。
Bing 側は引用数を出します。Bing Webmaster Tools の「AI Performance」レポートです。2026年2月10日に公開プレビューになりました。
指標は総引用数、平均引用ページ数、グラウンディングクエリ数などです。Googleは表示回数、Bingは引用数を測っています。同じ「AI検索の効果」という言葉でも、中身が違います。
助言も割れています。Bing は同じ記事で、明確な見出しと表とFAQセクションを勧めています。要点が目立ち、AIシステムが正確に参照しやすくなるという理由です(Bing Webmaster Blog(2026年2月10日))。
Google は前述のとおり、細分化も特別な書き方も不要としています。私の判断はこうです。
見出しと表を整えるのは読みやすさの改善なので、AI向けかどうかに関係なくやります。AI向けの特別な形式に寄せる作業は、費やす時間に見合うかが読めません。
第三者ツールの限界
Googleの生成AI最適化ガイドに、はっきりした一文があります。
No third-party tool has access to our internal ranking or AI systems.
(第三者のツールが当社の内部のランキングやAIのシステムにアクセスすることはない)
「AI検索での順位を計測します」と謳うツールに予算を付けるかを判断するとき、この一文が使えます。ツールが見ているのは、外から観測した出力です。
ChatGPT や Claude、Perplexity の側で自社の露出を測る公式の手段は見当たりません。2026年8月17日時点の確認です。
クリックと、日本の数字の読み方
クリックが減るかどうかは、Googleの主張と第三者の実測が食い違っています。
Google は2025年8月6日の記事で、サイトへのクリック総量は前年比でおおむね安定していると述べています。質も向上している、と続きます。
ただし絶対数も計測手法も開示されていません(Google公式ブログ(2025年8月6日))。
Pew Research Center は米国の実測を出しています。2025年3月の1か月間、米国成人900人のブラウジング行動データです。AI要約が出た検索結果ページで通常のリンクをクリックしたのは、全訪問の8%でした。出なかった場合は15%です(Pew Research Center(2025年7月22日))。
ただし米国のみで、AIモードの導入前です。相関であって、因果の立証ではありません。
日本には比べられる公的データがありません。総務省の令和8年版 情報通信白書のうち、今回参照した3つの節を確かめました。「検索エンジン」という語が一度も使われていません(第Ⅰ部第1章第1節、第2章第1節、第3章第2節)。
白書が測っているのは、場面ごとのAIとAI以外の方法の使い分けです。個人の生成AI利用経験率58.8%は第1章第1節の数字です。調査は2026年1月から2月、公表は同年7月で、検索の増減を示す数字ではありません。
企業側には、並べてはいけない数字が2つあります。中小企業基盤整備機構の調査では、AIを「全社的に導入」と「一部業務で導入」した中小企業は20.4%でした。調査期間は2025年11月17日から12月12日です。
全国の中小企業10,000社に配布し、有効回答は1,647でした(中小企業のAI等の利活用に係る実態調査)。
総務省の白書には中小企業58.1%という数字もあります。ただしこちらは対象が絞られています。
条件は「従業員10名以上、2025年までにデジタル化の取組を開始済み、管理職以上」です。聞いているのは活用の方針で、母集団が違うので20.4%と並べて増減は語れません。
どの数字も「急げ」の根拠にも、「何もしなくていい」の根拠にもなりません。自社の Search Console の実数を見るほうが早いです。
GoogleのAI体験で成果を出すための8項目にも「訪問の価値を丸ごと理解する」があります。売上や登録などのコンバージョン指標を見るよう促しています。
ここまでの要点をまとめます。
やらないことは、Googleが不要と書いている3つです。AI向けのファイル、コンテンツの細分化、AI向けの特別な書き方。
残る3つは温度が違います。作られた言及集めは効果が薄いだけです。構造化データはSEO全体では推奨、ロングテールは網羅できていなくても構いません。
点検することは3つです。
- `nosnippet` と `max-snippet` で意図せず制限をかけていないか
- robots.txt が壊れていないか、名前付きのグループが `*` の指定を無効にしていないか
- Search Console の生成AIコントロールがどの状態か
出し分けることは、学習用クローラと検索用クローラです。GPTBot を止めても OAI-SearchBot は許可できます。ただし robots.txt に名前を書くこと自体が、そのクローラの読むルールを切り替える操作です。
積み上げることは通常のSEOです。信頼を最上位に置いたコンテンツと、Organization の構造化データ。やることの中身は、AI検索が来る前から書いている中小企業のコンテンツマーケティングの進め方と同じです。
生成AIを自社の業務にどう組み込むかまで含めて相談したい方向けに、株式会社01STARTのサービス資料を用意しています。

