THE MODELとは、4つの工程で顧客を引き継ぎながら売上をつくる考え方です。工程はマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの順に並びます。原典は福田康隆氏の『THE MODEL』(翔泳社)で、副題は「共業プロセス」です。
導入を考えているなら、最初にやることは決まっています。顧客情報を誰がどのツールで管理しているかの棚卸しです。工程を分けるかどうかの判断材料は、そこからしか出てきません。
自社に合うかどうかは、4つの問いで判定できます。問1が顧客情報の棚卸し、問2が接触の棚卸し、問3が営業活動の図示、問4がKPIの当てはめです。この4問に空欄が残るうちは、工程を分けても引き継ぎは止まります。
THE MODELの定義と原著
THE MODELは、顧客を4つの工程で引き継ぐ前提で、売上のつくり方を組み立てる考え方です。工程はこう分かれます。
- マーケティング:自社を知らない人に届き、問い合わせや資料請求までつなげる
- インサイドセールス:訪問せず電話やメールで見込み客に接触する内勤営業
- フィールドセールス:商談を行い、提案から受注まで進める営業
- カスタマーサクセス:契約後の活用を支え、継続と追加購入につなげる
原典は福田康隆『THE MODEL(MarkeZine BOOKS)マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』です。翔泳社から2019年1月30日に出ています(翔泳社の書籍ページ)。日本語ではザモデル、ザ・モデルとも書かれます。
副題にあるとおり、原著が置いている到達点は共業です。書籍は5部構成で、第1部が「アメリカで見た新しい営業のスタイル」、第2部が「分業から共業へ」、続いて第3部「プロセス」、第4部「3つの基本戦略」、第5部「人材・組織・リーダーシップ」と並びます(翔泳社の目次プレビュー)。
注目したいのは、「分業体制」の節が置かれている場所です。目次では第1部・第2章「営業のプロセス管理」の12ページに入っています。分業を扱う節が第1部にあり、第2部の題名が「分業から共業へ」。分業を出発点として置いた構成だと私は読んでいます。
同書は2024年3月時点で10万部を超えました。著者の福田康隆氏は日本オラクルを経て、2004年に米セールスフォース・ドットコムへ転職しました。翌年に同社日本法人へ移り、以後9年間にわたり日本市場の成長を牽引しました。その後はマルケトの代表取締役社長、アドビ システムズの専務執行役員を務め、2020年1月からジャパン・クラウド・コンサルティング株式会社の代表取締役社長です(翔泳社プレスリリース 2024年3月12日)。社名は同プレスリリース時点の表記に従っています。
「THE MODEL」はセールスフォース日本法人の社内プロジェクト名
「THE MODEL」という言葉の出自は、社内プロジェクトのコードネームです。2004年当時のセールスフォース・ドットコム日本法人で、業務改善のために立ち上がった取り組みです。同社は現在、株式会社セールスフォース・ジャパンという社名です。よく見る4部門のチャートは、そのとき作られた20ページほどの資料のうちの1枚だったと、著者本人が連載に書いています(SalesZine 2021年11月18日 福田康隆氏の執筆記事)。
同じことは原著の「はじめに」にも書かれています。
実は当時、セールスフォース・ドットコム本社でそう呼ばれていたわけではない。私を含めた数人のプロジェクトメンバーが日本展開した時の呼称であり、このように多くの人に広まるとは考えていなかった。
(福田康隆『THE MODEL』翔泳社、2019年、p.xix)
これらの記述をふまえるかぎり、同社が体系立てた公式フレームワークとして発表したことは確認できません。書籍のほうは福田氏個人の著作で、版元は翔泳社です。言葉の出自、チャート、書籍は、それぞれ別のものとして切り分けて読む必要があります。
チャートの目的も、紹介記事の多くとは違います。著者が同じ連載で説明しているのは、業務のどこで詰まっているかを見つけるための手段だった、という点です。役割ごとにKPI(日々追っている数字)を管理する枠組みとして紹介されることが多いのですが、出自は違います。書名を『THE MODEL』とした理由も、同じ記事に書かれています。表面的な理解でなく本質を伝えたかった、という意図です。
「THE MODEL型」という決まった形はない
福田氏は、SalesZineの回答記事で「THE MODEL型」という言葉を使っていない、と述べています。むしろそのようなものは存在しないことを本に書いた、とも続けています(SalesZine 2024年3月12日)。
同じ記事では、書籍「はじめに」の一節も紹介されています。どの会社にもそのまま適用できるモデルは存在しないので、自分の会社にとっての「ザ・モデル」を創造してほしい、という趣旨の一節です。
つまり、一般に「THE MODEL型」「ザモデル型」と呼ばれている分業体制は、世間側の呼称です。この記事でもその意味で使います。原著が示しているのは、各社が自分の形をつくっていく過程です。
4つの工程の役割と、引き継ぎの基準
当社が支援した、複数の拠点で対面営業をしている会社では、工程を分ける前、次のことが起きていました。
そのころは営業が1人で、引き合いからフォローアップまでを一気通貫で担当していました。
- 営業が属人化していて、外から見えるのは結果の売上だけでした。過程は見えませんでした。
- 営業の確度が担当者の感覚で決まっていて、外からは分かりませんでした。
- 集客の窓口と営業の現場が別の部署に分かれていました。見込み客の情報は届くのですが、なぜその相手が有望と判断されたのかを、受け取る側が同じ基準で再現できませんでした。説明は受けていました。
- 担当者が代わると、それまでの顧客とのやり取りを引き継ぐ手立てがありませんでした。
工程を分けたあとは、次のような変化がありました。
- 営業が属人化しなくなりました。特定の個人に依存する形ではなくなった、ということです。
- 担当が自分の工程に専門特化し、その工程のレベルが上がりました。
- 一人前になるまでが早くなりました。
- 進捗の見える化ができるようになりました。
- 自動化できるところが出てきて、省力化されました。
ここに挙げたのは、支援先で当社が見た変化です。
ただし、この会社が分けたのは一部の工程だけです。4工程すべてを分けたわけではありません。契約後のフォローについては、既存の仕組みで自動的に案内が出る状態が整っていました。だからそこは分けませんでした。既に回っている部分まで分ける必要はない、ということです。
分けきれなかった工程もあります。複数の拠点にまたがるアフターフォローを一元化する構想はありましたが、着手する前に支援期間が終わりました。うまくいかなかったのではなく、そこまで進まなかった、というのが正確なところです。
4工程は、需要をつくる、見極める、決める、使い続けてもらう、の順に顧客を引き継ぐ役割分担です。実務で効くかどうかを決めるのは、次の工程へ渡す条件を、誰が読んでも同じ判定になる文にできるかどうかです。
渡す条件は、3つの要素で書けます。誰が、何を満たしたら、いつまでに動くか。この3つがそろっていない条件は、現場で解釈が割れます。
先の支援先では、引き継ぎの節目がこう並んでいました。ウェブ広告で問い合わせを集める。初回の対面アポイントが取れたら、そこが最初の節目です。その場で見積を出し、成約まで進めます。契約後は、決められた時期にフォローの案内を出します。
節目をこの形で先に書き出しておけば、どこを別の担当に渡すかは後から決められます。実際にこの会社が渡したのは、このうちの一部だけでした。
条件が文になっていないと何が起きるかは、先に挙げた3つ目の状態が示しています。見込み客の情報は届いていて、説明も受けている。それでも受け手が同じ判定を再現できない状態です。
オンラインで商品を販売している支援先では、顧客管理システム上の進捗段階を見て、どの段階で自動応答を止めるかを定義しました。商談の段階に入った相手には自動の応答を止める、という方針です。あわせて、金額の大きい案件は専任の担当者が対応する、という分担も置いています。
この方針が働くのは、連絡先のメールアドレスまで登録できている相手に限られます。連絡手段がSNSのIDしか分からない相手は、そもそも自動応答を止める操作ができません。そのため登録の入口で、メールアドレスの取得を必須条件にしました。
工程ごとに追う数字
当社の支援では、工程ごとに次の4組を置いています。
| 工程 | 置いている数字 |
|---|---|
| マーケティング | 問い合わせ件数、そのうち商談になった率 |
| インサイドセールス | つながった率、商談化率 |
| フィールドセールス | 受注率、商談が決まるまでの日数 |
| カスタマーサクセス | 継続率、追加購入率 |
これらの数字は掛け算でつながります。筆者が登壇で使っている例をそのまま出します。売上を2倍にするとき、必要な見込み客(リード)の件数がどう動くかを並べた表です。
| 現状 | 2倍にする | |
|---|---|---|
| 売上目標 | 1,000万 | 2,000万 |
| 受注件数 | 200件 | 400件 |
| 受注率 | 30% | 20% |
| 商談数 | 666件 | 2,000件 |
| 商談化率 | 20% | 15% |
| リード件数 | 3,333件 | 13,333件 |
売上も受注件数も2倍ですが、リードの件数は4倍です。理由は、右の列で受注率を30%から20%へ、商談化率を20%から15%へ落としているからです。規模を追えば、当たる相手の質は薄まります。率をそのままに件数だけ伸びる前提で計算すると、必要な母数を実際より小さく見積もることになります。
自社の数字を入れてみて、出てきた件数が現実離れしているなら、母数を増やす前に受注率と商談化率のほうを直します。
数字を置くときは、責任の範囲もその数字で区切ります。どの数字をどの工程の責任にするかを決め、あわせて運用のルールも書きます。数字だけを配ると、月末に届かない見込みになったときの動き方が人によって変わります。何日の時点で誰が見るのか。届かないときは何を止めて、何に振り替えるのか。渡す条件を文にするのと同じで、ここも文にしておきます。
買い手の下調べのしかたも変わりました。仕事で使う商品やサービスの購入を検討する際に生成AIを使った経験がある買い手は36.7%です(買い手515名の回答)。直近1年以内に使った人に限ると、得た情報が最終的な意思決定に影響した経験がある人は55.3%でした。出典はHubSpot Japan「日本の営業に関する意識・実態調査2026」(2026年2月27日公表、調査は2025年10月30〜31日)です。
この記事で引く調査はHubSpotが公開しているデータです。関係を先に書いておきます。当社は自社の営業でHubSpotを使い、同社の製品を使った営業組織づくりの支援を有償で提供しています。この有償はお客様からいただく支援料です。同社とは過去にパートナー契約がありましたが、現在は契約していません。本記事について同社から報酬や紹介手数料は受け取っていません。
同じ調査では、当初は検討していなかった候補を生成AIきっかけで加えた経験がある人も52.4%いました。こちらも直近1年以内に生成AIを使った人の中での割合です。候補に入るかどうかが、営業が接触する前に決まりつつあるということです。
だから、マーケティングからインサイドセールスへ渡す条件を先に直します。最初の接触で製品説明から始める設計にしていると、下調べを終えた相手の理解度と噛み合いません。渡す条件には、相手が何を知っている状態かを書き添えておきます。
工程を分けると、何で評価するかも決め直すことになります。先の支援先が置いたのは、継続してお客様から注文をいただけたか、という基準です。具体的には2つあります。もう一度買ってくれたか。お客様を紹介してくれたか。
失注した相手を戻すリサイクルと、号令が効かない理由
工程には戻りの線もあります。商談に至らなかった相手や失注した相手を、もう一度マーケティングに戻す流れを「リサイクル」と呼びます。福田氏は、この考え方をマルケトで学んだと書いています(SalesZine 2021年11月18日)。
この線は、引いただけでは動きません。当社が支援で見てきた範囲では、失注した相手へのフォローが仕組みとして続いている例はほとんどありません。動くのは、新しく来たお客様のほうです。
これを担当者の怠慢として扱うと、そこで話が終わります。評価が新規の獲得件数を見ているなら、新しく来た相手を優先するのは、その評価に対する合理的な反応です。会社が「失注した先もフォローするように」と号令をかけても、評価がそのままなら反応も変わりません。精神論ではフォローは増えない、というのはそういう意味です。
失注した相手が、二度と買わないわけではありません。そのときは縁がなかっただけで、フォローを続けていれば、後から購入いただけることがあります。別のお客様を紹介いただけることもあります。
動かすなら、変える先は2つです。ひとつは、戻す条件を文にすることです。渡す条件は「誰が、何を満たしたら、いつまでに動くか」の3つで書ける、と前に書きました。戻りの線にも、同じ3つが要ります。誰が戻すのか。どういう状態になったら戻すのか。ここを決めずに運用すると、戻す作業は誰の担当でもなくなります。
もうひとつは、何で評価するかです。前の節に挙げた支援先の基準は、もう一度買ってくれたか、お客様を紹介してくれたか、の2つでした。この2つで見るなら、失注した相手へのフォローは評価の対象に入ります。新規の獲得件数だけを見ている組織では、同じ仕事が評価の外に置かれたままです。
渡す条件と評価。この記事で先に書いた2つが自社で効いているかは、リサイクルが動いているかどうかに出ます。
マーケティング:需要をつくり、渡す条件を決める
獲得件数だけを目標に置くと、件数は増えるのに商談が増えない状態になります。
原著は、この連鎖を第5章「分業の副作用」(p.61)で説明しています。部門ごとに評価指標を置けば、担当者はまずその数字を満たそうとします。新規の獲得しか見ていない組織では、見込み客が減ったときに、展示会などで一度に多くの名刺を集める打ち手へ傾きます。受け取る側は月次の商談化件数を追っているので、商談になりやすい相手から先に当たります。こうして展示会で集めた名刺は後回しになっていく、という筋道です。
マーケティングが担うのは、自社を知らない人に届き、問い合わせや資料請求までつなげることですが、そこで終わりにはできません。渡す条件を先に書き出し、条件を満たした件数を目標に置きます。獲得件数と、そのうち商談になった件数は、必ず並べて見ます。
渡す条件の決め方はマーケティングの役割と実践プロセスで扱いました。
インサイドセールス:見極めてから渡す
インサイドセールスは、訪問せずに電話やメールで見込み客へ接触し、商談にする価値があるかを見極める工程です。当社では、資料請求が入ると折り返しの連絡が自動で入ります。そこで確認するのは予算、決裁の進め方、困りごと、導入の時期の4つで、内容は顧客管理システムに記録します。
見極めの基準を決めるのも、書き直すのも人の仕事です。
基準は一度決めて終わりにはなりません。厳しくしすぎると商談が枯れ、緩めすぎると営業の時間が溶けます。受注率が落ちてきたら、基準の文そのものを書き直します。たとえば「検討時期が6か月以内」を「予算の話ができた」に替えるだけで、渡る件数も受注率も動きます。聞き取りの順番はインサイドセールスの役割と実践プロセスに書きました。
フィールドセールス:商談を決める
フィールドセールスが最初にやることは、渡された見込み客の見立てが合っているかの確認です。商談を進めながら、前の工程の判定が正しかったかを検品しています。
失注理由を「価格」の一言で片づけると、この検品が働きません。どの段階で何が引っかかったのかを残せば、前の工程の基準を直す材料になります。商談の進め方はフィールドセールス(営業)の役割とプロセスで段階ごとに解説しています。
カスタマーサクセス:使い続けてもらう
契約後の最初の3か月に何をするかを決めておくと、その後の対応が場当たりになりません。カスタマーサクセスが担うのは、活用を支えて継続と追加購入につなげることです。
問い合わせ対応と同じ扱いにしてしまうと、この工程は働きません。相手から連絡が来るのを待つ設計だと、使われないまま契約期間が終わります。定着支援の考え方はカスタマーサクセスの役割とプロセスにまとめました。

THE MODELの分業で案件が止まる3つの理由
案件が止まる原因は、たいてい現場の運用能力ではなく、決める順番にあります。支援や研修で入った現場で繰り返し見るのは、次の3つです。顧客情報の置き場所を決めていないこと。見込み客の数を増やし続ける前提で組んでいること。そして自社の商談の実態より工程を細かく割っていること。この3つが重なると、渡した先で案件が動かなくなります。
そもそも日本では、インサイドセールスを置いている職場がまだ多くありません。売り手(経営者・役員/営業責任者/営業担当者)1,545名の回答ベースで導入率は39.5%、2021年以降大きな変化はみられません。回答者は企業ではなく個人なので、企業単位の普及率とは母数が違う点に注意してください。調査レポートは、直近1年以内の導入率が減っていると書いています。今後さらに下がる可能性にも触れています。
言葉の広がり方も同じ調査に載っています。インサイドセールスの認知率は、売り手全体で51.2%、買い手全体で38%でした。買い手は2024年の30%から増えた一方、売り手は2024年と比べると横ばいです(HubSpot Japanの2026年調査データ集、回答は売り手1,545名・買い手515名)。社内で「インサイドセールスを置く」と説明するときは、言葉の意味から共有する前提で臨みます。
営業の現場のデジタル化そのものも進んでいません。総務省の調査では、クラウドサービスを「全社的に利用している」企業が52.9%、「一部の事業所または部門で利用している」が27.5%でした。合わせると、利用企業は8割を超えます(有効回答2,330社)。
そのクラウド利用企業1,941社のうち、用途に「営業支援」を挙げたのは20.7%です。令和5年の19.9%から0.8ポイントの動きにとどまります(総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」、2025年5月30日公表、常用雇用者100人以上の企業)。この統計から言えるのは、クラウドは広く使われている一方で、営業支援は伸びの小さい用途のひとつだ、というところまでです。
そのうえで当社が支援に入って実際に見るのは、営業の記録が表計算ソフトと個人の手元に残ったままの状態です。ここは統計ではなく、現場で数えた範囲の話です。工程を分ける前に置き場所を決める話が先に来る理由は、ここにあります。埋め方は営業DXでデジタル技術をどう使うかでも扱っています。
分業には副作用もあります。部門ごとに目標を割ると、業績が伸び悩んだときに短期で達成できる施策へ走りがちです。前掲の原著の指摘(p.61)と重なる話です。共同で追える目標を別に置かないと、渡した側と受け取った側で押し付け合いが起きます。ここは支援の現場で見てきた範囲の見立てです。
原著は、この副作用を第2部「分業から共業へ」の第5章で扱っています。分業ではなく共業へどう移るのか、という問いを立てたうえで、同書はこう書いています。
ここで必要なのは「逆の流れ」を作ること。
(同書 p.67、第5章「分業の副作用」)
同書によれば、マーケティングからカスタマーサクセスへ至る流れは一方向で、効率的に見えても、各部門が自分の担当範囲だけを見ていればよいという状態になってしまう、と説明されています。そこで前の工程へ情報を返す線を作る、という筋道です。カスタマーサクセスは顧客から聞いた困りごとを製品開発やマーケティングの言葉づくりへ戻します。営業はインサイドセールスへ訪問時の内容を返し、商談をつくったときのコメントとの食い違いを共有します。工程を一方向に流すだけでは、この戻りが起きません。
刊行後には、社内の効率は上がっても顧客視点に欠けるのではないか、という不安も福田氏に寄せられたそうです。同氏は、自社の効率化だけを追いかければ顧客に受け入れられず、要望をすべて満たそうとすれば手が足りない、という趣旨の回答をしています。両方を満たす方法を探して知恵を絞る中で、新しいやり方が見えてくるとも述べています(MarkeZine 2020年10月19日)。
顧客情報の置き場所を決めていない
工程を分けた瞬間に手が止まる組織には、共通点があります。顧客情報がどこにあるかが人によって違うのです。やり取りが流れていくチャット、担当者ごとの表計算ソフト、個人の名刺入れ。この状態で役割だけを分けると、渡した側は「送りました」と言い、受け取った側は「聞いていません」と言います。同じ相手の話が、二か所で別々に止まった状態です。
置き場所を先に決めることを、当社は分業の前提だと考えています。顧客の履歴をチャットツールに散らさず、顧客管理システムへ集約する。役割の設計より前に、組織としてどこに集めるかを決めておきます。当社では、資料請求が入るとAIが折り返しの電話をかけ、フォームの内容と相手企業の公開情報から業界や競合を調べて課題の仮説を立てます。ここまでを同じ顧客管理システムに記録しています。仕組みが用意するのはここまでの下書きで、商談に入る前に人が見直します。
どこまでを機械に任せるかはマーケティングオートメーションの基本と活用方法にまとめました。
見込み客の数を増やし続ける前提で組んでいる
見込み客をふるいにかける運用は、投入する母数を増やし続けないと回りません。福田氏はある読者の質問に対して、このやり方では最初の投入量となる見込み客の数を増やし続ける必要があり、SMBでも単品製品でもうまくいかない、という趣旨の回答をしています(SalesZine 2024年3月12日)。ここでいうSMBは、中小企業を相手にするビジネスを指します。特定の相談への回答であって、一般則として示されたものではありません。この節と次の節で引く回答は、どちらも同じ記事の同じ性質のものです。
同じ論点は、書籍の時点ですでに扱われています。目次を見ると、第1部・第3章「『ザ・モデル』のその先へ」に「新規リードはいつか頭打ちになる」という節が28ページに置かれています(翔泳社の目次プレビュー)。母数を増やし続ける前提が成り立たないことは、後から出てきた論点ではありません。
だからこそ、失注した相手や商談に至らなかった相手を戻す流れが要ります。新規獲得の費用をかけずに母数を戻せる、数少ない手立てです。
分業を、接触量を増やすための仕組みだと読むと逆効果になります。相手の状況を調べずに一斉送信する営業は、かえって印象を損ないます。買い手が生成AIで下調べを済ませて来る以上、揃っていない情報を送る側の粗さは以前より目立つ、というのが私の見立てです。仕組み化の狙いは、相手ごとの前提を揃えてから当たることに置きます。
自社の商談実態より工程を細かく割っていないか
工程の数は、自社の商談が何回で決まるかから決めます。福田氏は、初回面談から受注まで平均1〜2回で終わる事業についての相談に、商談を8つの段階に分ける意味はなく、同じ人が対応するほうが良いのではないか、と答えています(SalesZine 2024年3月12日)。
工程を割るほど、引き継ぎの回数は増えます。1回の引き継ぎごとに、情報の欠落と待ち時間が生まれます。両方の形を並べると、こう違います。
| 比べる点 | 1人が最後まで担当 | 4工程に分ける |
|---|---|---|
| 引き継ぎの回数 | 0回 | 3回 |
| 情報が欠ける場所 | 記録の書き漏れ | 引き継ぐたび |
| 向く商談 | 1〜2回の面談で決まる | 複数回・複数人が関わる |
| 必要な見込み客の数 | 少なくても回る | 母数を供給し続ける必要がある |
| 先に決めること | 記録の置き場所 | 記録の置き場所と渡す条件 |
割り方を決めるとき、当社は人が担う部分と機械的に処理してよい部分を先に切り分けます。答えが一つに決まる処理は、判断させずに手続きとして流します。正解が複数ある処理だけを任せ、最終確認は人が持ちます。全部を仕組みに寄せる進め方は成立しません。
この結論は、後の節に書く当社の失敗から出ています。
分けないほうがよい事業には、次のような条件があります。
- 初回面談から受注まで、平均1〜2回で決まる
- 1件あたりの単価が低く、1件にかけられる時間が短い
- 見込み客の件数がもともと少なく、増やす当てもない
このいずれかに当てはまるなら、担当を1名にして最初から最後まで持たせるほうが速いことが多いです。そのかわり、記録の置き場所だけは統一します。人を分けなくても、情報が個人の手元に残る問題は残るためです。立ち上げの型は自社に合ったインサイドセールスの形で比較しています。
分けると決めた場合も、引き受けることになる負担があります。筆者が登壇で挙げているのは次の3点です。
- 組織が分断されるので、緊密な連携が必須になる
- ツールを使いこなすITリテラシーが必須
- インバウンドマーケティングを行う人材が必須
3つ目のインバウンドマーケティングは、広告や検索、資料の公開などで、相手のほうから問い合わせてもらう形をつくる集め方です。この点は、後の節に書く「担当1名から始める」話と直結します。始めるのに要る人数は1名ですが、その1名は、自分から来てもらう形で見込み客を集める仕事ができる人でなければなりません。社内にその役ができる人がいないなら、工程を分けるより先に、採るか育てるかを決めることになります。
1つ目と2つ目も同じで、分けた分だけ連携の手間が増え、記録をツールに残す作業も増えます。分業は手間そのものを減らす仕組みではなく、手間の置き場所を変える仕組みです。

THE MODEL導入に必要な人数と費用の目安
担当1名から始められます。費用の内訳で大きくなるのは、ツール代よりも人件費です。この節に出す人数と時間の目安は、当社の支援での見立てで、公表された統計にもとづく数字ではありません。
1名で始める体制
最初に置くのはマーケティングの担当者1名です。顧客管理システムやマーケティングオートメーションの導入と、セットで考えます。専任を採る余裕がなければ、既存の担当から週の一部を切り出します。週5日のうち1〜2日分が目安です。
1名が担うのは3つ。見込み客を集めることと、その記録と、次の工程へ渡す条件の運用です。このうち記録を後回しにすると、翌月には誰も引き継げなくなります。
仕組みに寄せる範囲と、人に残す範囲
当社のコンサルティング事業では、2026年4月から、営業の4工程を代表1名で回しています。この4工程については外部への委託もしていません。記録と一次対応を仕組みの側へ移し、工程ごとに担当を分けずに済んでいるためです。
寄せられるのはこの範囲までです。判断と相手との関係づくりは人に残っていて、人がいらなくなるわけではありません。
仕組みに乗せたのは、資料請求が入ったあとの流れです。折り返しの一次対応は先に書いたとおりで、商談に入ってからの記録も、契約後の案内も同じ流れに乗っています。人が前に出るのは、契約に近づいた局面です。
この形は最初から選んだものではありません。先に一度、失敗しています。
AIエージェントは、指示を受けて自分で手順を決めて動くプログラムです。工程をさらに細かく割り、42体に分担させて自律的に走らせようとしました。起きたのは、指示が渡るたびに意図がずれることでした。
担当を分けたはずのエージェントが自分の持ち場でない判断を始め、同じメール文案を延々と作り続けることもありました。工程を割るほど引き継ぎの回数が増えると前に書きましたが、同じ症状がエージェントの間でも出ました。
出力を一つずつ確認して直す作業が増え、最後はすべてを細かく管理する状態になりました。渡す条件を文にしないと解釈が割れます。人の組織でも仕組みでも同じ形で起きました。
そこで方針を変えました。処理の流れそのものは手続きとして固定し、AIは流れの中の特定の工程の中だけで使います。
このときの構成と、切り替えたあとの内訳はAI時代のTHE MODELとして自社の営業を組み直した記録に残しています。
どの道具に任せるかを決めるときに、採らなかった選択肢もあります。手元のパソコンでエージェントを動かす編成は、動かし続けるために電源を入れっぱなしにする必要があります。自社の使い方に合わないと判断して採りませんでした。
顧客管理システムのほうも、在庫や生産の管理まで含む大規模な製品は外しました。当社が売っているのは形のない役務で、その範囲の機能を使う場面がないためです。
人が持ち続けている場面もはっきりしました。相手の事情を聞いて渡す条件を変えるかどうかを決めるところと、例外への対応を決めるところです。研修や商談で相手と話すのも、仕組みそのものを作り直すのも人がやります。
記録と一次対応を仕組みに移したのは、この判断に充てる時間をつくるためです。仕組みを持つと、作る手間と、動かなくなったときに直す手間が新しく乗ります。繰り返しの作業は減りましたが、手間そのものが消えたわけではありません。
人を減らすための話ではありません。工程を分けるだけの商談量があるなら、分けて人を置くほうが速い場面もあります。
ここまでは当社1社の運用の記録です。同じ構成が他社で同じ結果になるとは限りません。

商談供給量の試算
供給量は掛け算で見積もれます。1日20件に接触し、月20営業日なら月400件。商談化率が10%なら、生まれる商談は月40件です。
営業1名が月に20件の商談を持てる事業なら、この供給量は営業2名分にあたります。ここは仮の数字なので、自社の実績に置き換えてください。試算が合わないなら、担当を増やす前に商談化率を見ます。
ツール費用の考え方
必要になるのは顧客管理システムと、必要ならマーケティングオートメーションの契約料です。無料の枠から始められるものもあります。課金の単位は製品ごとに違います。担当者1人あたりの月額で決まるものもあれば、登録できる連絡先の件数や、機能のまとまりで決まるものもあります。
マーケティングオートメーションの候補として、筆者が登壇で挙げているのはHubSpot、SATORI、Adobe Marketo Engageの3つです。機能も料金も改定が入るので、ここでは製品名と、比べるときに見る点までにとどめます。
先に断っておきます。このあと金額を出すのは当社が使っているHubSpotだけで、3製品を横並びで比較したものではありません。他の2製品については、下の4点を同じように各社の料金ページで確認してください。
比べるときに見る点は、次の4つです。
- 課金の単位が、使う担当者の人数か、登録できる連絡先の件数か
- 初期費用や導入支援費が別途かかるか
- いま持っている顧客情報を、そのまま移せるか
- 無料で試せる範囲がどこまでか
この4点をそろえずに月額だけを並べると、見た目の安い順と、実際に払う額の順が入れ替わります。
当社が使っているHubSpotで、実際の金額を出しておきます。先に断っておくと、当社は同社と過去にパートナー契約がありましたが現在は契約しておらず、本記事について同社から報酬や紹介手数料は受け取っていません。特定の製品を勧める意図はなく、金額の桁を示す例として挙げます。
最小構成は無料プランです。月額0円で、2人のユーザーまで使えます。決済情報の登録も要りません。担当1名で始めるなら、まずはここで足ります。
次の段階がStarterです。1シートあたり月額2,400円で、シートは利用する人数分だけ必要になります。なお同じページには最大65%引きの案内も出ています。新規のお客さま限定で、一部のオファーは期間限定です。見積もりに使うなら割引前の金額で計算しておくほうが安全です。
Marketing Hub Professionalの最低利用料金は、年次契約・年額払いで月額96,000円です。月額払いを選ぶと月額106,800円になります。この料金にコアシートが3件含まれ、追加のコアシートは最低で月額5,400円です。マーケティングコンタクトは2,000件、HubSpotクレジットは3,000がつきます。
見落としやすいのが、ここに加えて必須になる1回限りの費用です。Professionalの導入支援が360,000円かかります。月額だけを並べて比べると、初年度の費用を実際より小さく見積もることになります。
金額は2026年7月21日にHubSpotの料金ページ(マーケティング)で確認したものです。プランの改定はあるので、検討時点の金額は候補に挙げた各社の料金ページを同じ条件で並べて確認してください。
補助金が使える場合がある
国の補助金を使えることがあります。過去には、対象になる費用の3分の2を補助する枠がありました。
立場を先に書いておきます。当社は、この制度のIT導入支援事業者として登録していた時期がありますが、現在は登録していません。申請の代行や支援も行っていません。補助金に触れているのは過去の経験からで、この記事は申請を勧めるものではありません。
ただし、これをそのまま自社に当てはめないでください。この制度の補助対象は、事務局に登録されたITツールと、登録された支援事業者を通じた申請に限られます。手元で契約しているツールの月額が、そのまま3分の2になるわけではありません。補助率も対象費目も上限も、年度と申請枠によって変わります。
制度の名称も変わっています。2026年7月21日に公式サイトを確認した時点では「デジタル化・AI導入補助金2026」として公募されていました。申請を考えるなら、公式サイトで最新の枠と条件を確認してください。
自社の金額を出す式も置いておきます。
- 毎月の費用 = ツールの月額 × 使う人数 + 切り出した営業の時間 × その人の時給
- 初期の費用 = ツールの導入支援費 + 既存の顧客情報を移す時間 × 時給 + 渡す条件を書き直す時間 × 時給
仮に週1.5日を切り出すとします。月に換算して48時間、時給を3,000円と置けば、人の側だけで月14.4万円です。この時間と時給は仮の数字なので、自社のものに置き換えて計算してください。
立ち上げの進め方(一例)
ここからは当社の実績ではなく、推奨する順序です。3か月を目安に置いています。
- 1か月目:顧客情報の棚卸し。成果物は後述する問1と問2の表を埋めた一覧。動かすのは経営者と各部門の代表者です。
- 2か月目:渡す条件の明文化と、記録の運用開始。成果物は条件の文面と、どこに何を書くかのルール。動かすのはインサイドセールスの担当者と営業責任者です。
- 3か月目:数字を見て条件を書き直す。成果物は書き直した条件の第2版。顔ぶれは2か月目と同じです。
遅れるとしたら1か月目だと見ています。棚卸しが1か月で終わらない原因は、情報が散らばっていること自体ではなく、誰が何を持っているかを聞いて回る時間を確保していないことにあります。
どの工程から手をつけるかも決めておきます。当社がまず勧めるのはマーケティングです。デジタルマーケティング、チラシ、CM。
ここから始める理由は、既存の営業のやり方を変えずに済むからだけではありません。マーケティングが動けば、見込み客の数が増えます。見込み客が増えること自体に反対する営業担当は、まずいません。
ただし、増やすのは渡す条件を文にしたあとです。条件がないまま件数だけ増やすと、先に書いたとおり、件数は増えるのに商談は増えない状態になります。条件とセットなら、歓迎されるところから入れます。次の工程に手をつけるときの話も、そのほうが通りやすくなります。
自社に合うかを見極める4つの問い
導入を決める前に、4つの問いを紙に書き出してください。空欄が残るうちは、工程を分けても引き継ぎは止まります。
この4問は、原著の考え方をもとに当社が整理したものです。原著にそのまま載っているリストではありません。このコラムの第1回から、実践用の課題として載せてきました。
先に書いた当社の構成を登壇で実演するときは、但し書きを添えています。自社がAIの会社だからここまでやっているのであって、どこまで自動化してよいかは各社で検討が必要だ、という一言です。
問1 顧客情報の棚卸し
見込み客、既存客、過去に取引があった顧客について、次の表を埋めます。
| 対象 | 管理している人 | ツール | 更新のタイミング |
|---|---|---|---|
| 見込み客 | |||
| 既存客 | |||
| 過去客 |
埋まっている例は「見込み客/インサイドセールス担当/顧客管理システム/接触のたび」です。埋まっていない例は「見込み客/担当者ごと/各自の表計算ソフトと名刺/思い出したとき」。後者のまま工程を分けると、渡された側が最初に「その情報はどこですか」と聞くところから始まります。
問2 接触の棚卸し
それぞれの顧客に、誰がどう接触しているかを並べます。
| 対象 | 接触する人 | 手段 | 頻度 | 目的 |
|---|---|---|---|---|
| 見込み客 | ||||
| 既存客 | ||||
| 過去客 |
並べてみると、同じ相手に営業と別部門が同じ案内を送っている重複がここで見つかります。もうひとつ出てくるのが、頻度の欄が「不定期」、目的の欄が空白のまま埋まらない行です。その行は、誰も責任を持っていない接触だということです。
問3 営業活動の図示
問い合わせから受注、その後の継続までを一本の線にして、途中で誰の手に渡るかを描きます。線に並べる要素はこの4つです。
- 顧客が動く段階(問い合わせ、商談、契約、利用開始)
- その段階を担当する人
- 次の段階へ渡す条件
- 渡すときに引き継ぐ情報
埋まっている例は、段階ごとに担当と条件の両方が書けている状態です。埋まっていない例は、段階は書けても「誰が渡すと決めるのか」が空欄になる状態。実態と違う理想の絵を描かないよう、必ず問1と問2の後に行います。
問4 KPIの当てはめ
いま社内で見ている数字を、問3の図のどこかに置きます。工程ごとの数字は、前掲の表を出発点にしてください。1行目は記入例です。
| 見ている数字 | 置く工程 | 見る人 | 見る頻度 |
|---|---|---|---|
| 商談化率 | インサイドセールス | 担当と責任者 | 週次 |
書き出した結果が「売上/全社/月1回の会議/月次」の1行だけなら、工程に置ける数字を誰も持っていないことになります。置き場所のない数字は、誰の行動も変えていない数字です。
4問の埋まり方で判断する
書き出した結果を、この表に当てはめてください。
| 4問の埋まり方 | 現状の意味 | 次の打ち手 |
|---|---|---|
| 4問すべて埋まった | 引き継ぎを設計する材料がそろっている | 工程を分け、渡す条件を文にする |
| 問1と問2だけ埋まった | 実態は分かるが設計がない | 先に問3の図を描いてから工程を割る |
| 2問以下しか埋まらない | 情報が個人の手元にある | 分けずに、置き場所の統一から始める |
| 商談が1〜2回で決まる | 引き継ぎの回数がそのまま費用になる | 分けずに、同じ人が最後まで担当する |
問1と問2は事実の棚卸し、問3と問4は設計です。順番を飛ばして図から描くと、実態と合わない絵ができます。

THE MODELを自社で使うときの要点
THE MODELは、工程の数と引き継ぎ基準を、自社の商談の実態から決めるための道具です。原著の目次が分業を第1部に置き、第2部を「分業から共業へ」としているのは、その順序を示すためだと読んでいます。
著者自身が「はじめに」でこう書いています。
どの会社にもそのまま適用できるモデルなど存在しない。自分の会社にとっての「ザ・モデル」を創造することを目指してほしいという思いから本書を執筆することになった。
(福田康隆『THE MODEL』翔泳社、2019年、pp.xix-xx)
明日やれることは問1の棚卸しです。30分あれば足ります。
まず、見込み客、既存客、過去客の3行を紙に書きます。次に、それぞれを誰が管理しているかを埋めます。最後に、その人が使っているツールの名前を入れます。ここまでで、置き場所が何か所に散っているかが見えます。散っているなら、集約先を1つ決めるところから始めてください。ツールを比べるのは、その後です。
上の4つの表は、そのまま書き写して使える形にしてあります。1枚の紙に問1と問2を写すところから始めれば、2つ目の問いが終わるころには自社の状態が見えているはずです。
工程の区切り方や引き継ぎ基準の書き方で手が止まることもあります。そのときのために、当社の支援内容をまとめた資料請求フォームをご用意しています。
出典
- 福田康隆『THE MODEL(MarkeZine BOOKS)マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』翔泳社、2019年1月30日発売:翔泳社の書籍ページ
- 同書の目次(第1部・第2章「営業のプロセス管理」内の節「営業の『分業体制』」12ページ、第1部・第3章「『ザ・モデル』のその先へ」内の節「新規リードはいつか頭打ちになる」28ページ、第2部「分業から共業へ」):翔泳社の目次プレビュー
- 翔泳社プレスリリース(10万部突破・著者経歴)2024年3月12日:プレスリリース本文
- SalesZine「『THE MODEL』で本当に伝えたかったこと」福田康隆 執筆、2021年11月18日:記事本文
- SalesZine「[10万部突破記念]『THE MODEL』に寄せられた質問・疑問に福田康隆氏が回答」2024年3月12日:記事本文
- MarkeZine「BtoBマーケター必見。福田氏が語る、『THE MODEL』の本質である共業型組織の作り方」2020年10月19日:記事本文
- HubSpot Japan「日本の営業に関する意識・実態調査2026」2026年2月27日公表、調査実施2025年10月30〜31日、回答は売り手1,545名・買い手515名:プレスリリース / データ集(PDF)
- 総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」2025年5月30日公表、有効回答2,330社(クラウド利用企業1,941社):報告書(PDF)
