プレゼン資料の作成は、多くのビジネスパーソンにとって頭を悩ませるタスクの一つです。締め切りに追われながらも、説得力のあるロジカルな構成、わかりやすいデザインを求められ、結果として多くの時間と労力が費やされます。特に、デザインスキルに自信がない場合は、視覚的に魅力的なスライドを作成するのは難しく感じるでしょう。
そこで、これらの悩みを解消するために、AIを活用したスライド自動生成サービス「イルシル」とChatGPTを使って、最速でスライドを作成する方法やプロンプトをご紹介します。ChatGPTと併用することにより、資料作成の物理的・精神的負担を減らし、より重要な業務に集中していきましょう。
伝わるプレゼン資料の基本原則とは?
効果的なプレゼン資料は、単に情報を伝えるだけでなく、聴衆に対して強い印象を与えることが重要です。そのためには、明確なメッセージと視覚的に魅力的なデザインが求められます。メッセージが明確であれば、聴衆は内容をすぐに理解し、視覚的に魅力的であれば、注意を引きつけることができます。また、一貫性のあるデザインは、プレゼン全体を通して情報の流れをスムーズにし、理解を助けます。
わかりやすい資料を作るための基本原則
プレゼン資料を効果的にするためには、いくつかの基本原則を守ることが重要です。
明確なメッセージの伝達
まず、資料全体を通じて伝えたいメッセージを明確にしましょう。複雑な情報をシンプルにまとめることで、聴衆にとって理解しやすくなります。これは、各スライドにおいても同様で、各スライドが1つのメインメッセージを持つようにすることが理想的です。
一貫性のあるデザイン
デザインの一貫性を保つことも重要です。フォント、色使い、レイアウトなどを統一することで、資料全体がまとまりを持ち、プロフェッショナルな印象を与えます。これにより、聴衆は資料の内容に集中しやすくなります。
スライドごとのデザイン
各スライドがどのようにデザインされるかも、資料の効果に大きな影響を与えます。
文字数と視覚要素のバランス
各スライドの文字数と視覚要素のバランスを保つことが重要です。情報が多すぎると理解しにくくなり、少なすぎると十分な情報が伝わりません。視覚要素(図表、画像など)を効果的に使うことで、情報を補完し、聴衆の興味を引きます。
配置と視線誘導の重要性
スライド上の要素の配置と視線の誘導も考慮するべきです。視線が自然にメインのポイントに向かうように配置することで、聴衆が資料の内容をスムーズに理解できるようになります。これは、プレゼンの流れをスムーズにするためにも重要です。
プレゼン資料作成にAIを取り入れるメリットとは?
忙しい日々の中で、上記のようなプレゼン資料を作成することは、多くのビジネスパーソンにとって頭を悩ませる大変な作業です。しかし、AIを活用することで、これらの負担を大幅に軽減できるのです。以下に、AIがプレゼン資料作成にどのように役立つのか、そのメリットを詳しく見ていきましょう。
時間の大幅短縮: AIが自動でスライドを生成し、資料作成にかかる時間を大幅に短縮します。
高品質なデザイン: 専門的なデザイン知識がなくても、AIが視覚的に魅力的なスライドを自動生成します。
構成の自動化: AIは、スライドの最適な順序と構成を自動的に設定し、一貫性のあるプレゼン資料を作成します。
デザインスキル不要: AIの提案により、デザインスキルがなくてもプロフェッショナルな資料が簡単に作成できます。
AI専門家も活用する「イルシル」とは?
AIを活用したスライド作成ツールが数ある中で、今回は「イルシル」を取り上げたいと思います。「イルシル」は、AIを活用したスライド自動生成サービスで、スライド資料作成の効率化を図り、誰でも簡単に高品質なスライドを作成できるよう設計されています。AIを専門領域とする我々も、セミナー資料作成など、イルシルを日常的に活用しています。その主な魅力を以下にまとめます。
直観的で使いやすいデザイン
イルシルは日本人向けにデザインされており、海外のサービスに比べて操作が直感的で分かりやすいのが特徴です。特にUI(ユーザーインターフェース)が親しみやすく、初心者でもすぐに使いこなせる点が評価されています。
スライド作成時間の大幅削減
タイトルや主要なテキストを入力すると、AIが自動的に文章とスライドを生成します。そのため、スライド作成にかかる時間を最大で1/3に短縮でき、忙しいビジネスマンにとって大きな助けとなります。
デザインスキル不要
AIが内容に適したデザインテンプレートを提案してくれるため、デザインスキルに自信がない方でも、見栄えの良いスライドを簡単に作成できます。1,000種類以上のデザインテンプレートが用意されており、多様なニーズに対応可能です。
業務効率化
スライド作成にかかる時間を大幅に短縮できるため、より重要な業務に集中する時間を確保できます。また、イルシルは企業向けの機能も充実しており、複数人でのデータ管理が容易な「マイフォルダ機能」や、閲覧・編集権限を設定できる「制限付きフォルダ機能」も提供しています。
これらの特徴により、イルシルは効率的かつ効果的なスライド作成を支援し、多くのビジネスシーンで活用されています。もちろん筆者も日々活用しており、なくてはならないサービスです。詳細は公式サイトで確認できます。
最速で資料作成する5ステップ
イルシルでは2通りのスライド作成方法があります。
・「AIスライド作成」:イルシル上のAI機能を活用して、プレゼンテーションの構成と文章をAIで作成する方法
・「新規スライド作成」:スライド作成画面から自分で文章を作成する方法
さらに「AIスライド作成」は、「キーワードからスライド作成」と「メモからスライド生成」という機能があります。手元にメモがなかったり、メモはあるけど、構成を考えてもらいたい場合は、「AIスライド作成」を使用しましょう。
今回は、「スライド新規作成」から行います。スライドの文章はChatGPTで作成します。そのほうがプロンプトを書いて自由に生成しやすいためです。
事前準備:テキストの準備とアップロード
まず、スライドに使いたい資料やテキストなどをコピーし、ChatGPTにアップロードします。(今回は、弊社でライブ配信した生成AIによるアイデア生成の内容をテキスト化しています。)
1.スライド割をしてタイトルを生成する(ChatGPT)
次に、ページ割りのプロンプトを利用して、スライドの基本構成をAIに指示します。これにより、グラフやタイトル、コンテンツが自動的にページごとに割り振られます。
今回の例だと、「イノベーションアイデアの重要性」などが自動生成されます。必要に応じてChatGPTとやり取りしながらタイトルやコンテンツを修正します。こうして、効果的なプレゼン資料を迅速に作成することができます。
2.メッセージを生成する(ChatGPT)
先ほどはタイトルとコンテンツだけの出力だったので、個々のスライドのメッセージを生成していきます。再びChatGPTにメッセージを追記するプロンプトを貼り付けます。
3.ヘッダーとボディを生成する(ChatGPT)
ここでは、今まで生成したコンテンツやメッセージをもとに、ヘッダーとボディを作っていきます。まずは、ヘッダーとボディの定義を整理しておきましょう。
ヘッダー:
- スライドの上部に配置される、主題やタイトルを示す部分です。
- 典型的には、スライドの主題や章立て、セクションの名前などが含まれます。
- ヘッダーは通常大きく目立つようにデザインされ、視覚的にスライドの内容を整理する役割を果たします。
ボディ:
- スライドの中心的なコンテンツや詳細な情報を示す部分です。
- ボディにはテキスト、グラフ、図表、写真などの具体的な情報が含まれます。
- ボディはヘッダーやタイトルの説明、サポートするデータ、およびメッセージの詳細な説明を提供します。
では、これらをコードブロックで出力するプロンプトを使っていきます。実際のスライド発表も踏まえた、かなり実践的なプロンプトです。
このようにChatGPTが、アップロードされたテキストを基に、自動的にヘッダー(主題)とボディ(詳細な内容)を生成します。単なるテキストからぐっとスライドのイメージに近づいてきました。
{グラフ/図/写真}は、実際に資料に挿入する参考となります。このテキストをもとに画像生成まで行うプロンプトは今後作成予定ですので、ご期待ください。
4.Googleドキュメントに貼り付ける
先ほどの出力結果を、一旦Googleドキュメントを経由させます。なお、ChatGPTのテキストを直接貼り付けたり、Wordを経由したりしても、うまく箇条書きが反映されませんので、Googleドキュメントをご利用ください。
- Googleドキュメントを開き、3の出力結果を貼り付ける。
・箇条書きで、階層分けされているか確認する。 - Googleドキュメントのテキストを全選択してコピーする
このワンステップを経るだけで、あっという間にスライドが完成します。
5.イルシルで資料を作成する(イルシル)
以下のステップに従って、いよいよプレゼン資料を完成させましょう。
①イルシルにログインし、新しいスライドを作成
- まず、イルシルのウェブサイトにログインします。
- ダッシュボードから「スライドを新規作成」を選択し、テーマを選んでスライド作成を開始します。テーマは自由に選べるので、プレゼンの内容に合ったものを選びましょう。テーマはいつでも変えられますので、一旦仮で選びます。
②ヘッダーとボディのテキストをコピーペースト
- イルシルの編集画面の「入力モード切替」を押して、「スライドのテキストを編集」にGoogleドキュメントで生成したテキストを一括で貼り付けて、一括でスライドを作成します。
- 各ページのデザイン案が提案されますので、適したものを選びます。これもいつでも変更可能です。
- 表紙に関しても、様々な表紙デザイン案が出てきますので、内容を一通り作成した後に、統一感のあるものを選ぶとよいでしょう。
③スライドの微調整
- スライド全体を確認し、必要に応じてテキストの配置や改行位置、フォントサイズを調整します。
- スライドの一貫性を保つため、適切なテーマやカラーを選び、視覚的に統一感を持たせます。
- 細かい修正などはパワーポイントなどpptxファイルが編集できるもので、修正するとよいでしょう。(有料版のみpptxダウンロード可)
④必要なグラフや図の挿入
- スライドに必要なグラフや図を挿入します。
- イルシルは、グラフや画像の配置を自動で行う機能を提供しているので、それを活用して視覚的に魅力的な資料を作成します。
⑤共有・表示[PowerPointでのダウンロード(有料プランのみ)]
- 最後に、スライド全体を確認し問題なければ、イルシルの「共有」メニューからPowerPoint形式で資料をダウンロードします。(PPTXやPDFでのダウンロード機能は有料プランで利用可能)
- 無料プランで利用したい場合は、そのままスライドショーでの表示ができます。
今回のステップで作成した資料の一部です。テキストの貼り付けだけで、ここまでできてしまうというのは大変ありがたいですね。
このように、イルシルを活用することで、効果的でプロフェッショナルなプレゼン資料をあっという間に簡単に作成することができます。今回は10枚程度の資料作成でしたが、ChatGPTで構成やメッセージを作成し、イルシルで調整前のスライド完成まで5分もかかりませんでした。短縮できた時間で、より伝わるようにブラッシュアップしたり、プレゼンの練習をしたりできます。
まとめ
いかがでしょうか?今回ご紹介したようなステップで、皆さんの資料作成にかける時間も、資料のクオリティも劇的に改善するはずです。積極的にAIの力を借りて、時間を節約し、視覚的に魅力的で効果的なプレゼン資料を作成しましょう。
今回ご紹介したプロンプトの完全版は、以下のメルマガに登録いただくとダウンロードできます。最新のAI情報も配信していますので、ぜひ登録をよろしくお願いいたします。