関西電力の社内起業支援制度「かんでん起業チャレンジ」は1998年開始から27年にわたり、多くのイントレプレナーを輩出してきました。しかし近年は「厚い事業計画書を作らないと応募できない」「資料作成の時間を確保しづらい」「アイデア出し自体のハードルが高い」といった声が増え、参加者数の伸び悩みが課題となっていました。
そこで事務局は制度を刷新し、①気軽にアイデアを発想するためのアイデアコンテスト → ②事業開発を学ぶアクセラレーター → ③事業化に挑戦する起業チャレンジ の三段階プロセスへ再設計。さらに今年度から制度全体を「SPARK」というブランドでリニューアルし、取り組みを加速しています。

関西電力さまでの社内起業支援制度の様子
今回のセミナーでは「アイデア提出」の心理的ハードルを下げることを目的に、生成AIアイデア創出セミナーを実施させていただきました。
研修コンテンツと学びのポイント
生成AIの基礎・最新動向
「AIエージェント元年」と呼ばれる2025年のインパクトと、「AIが仕事を奪うのではなく、AIを使いこなす人が生き残る」というメッセージと共にAI時代の到来を共有しました。
7Rプロンプト × 強制結合アイディエーション
ターゲット × 課題 × 技術/手法 をAIに掛け合わせ、新規事業未経験者でも短時間で大量のビジネスアイデアを生み出す方法をご紹介しました。
PEST/5F分析 → リーンキャンバス作成
詳細なプロンプトを活用することで、市場分析から事業プランの骨子までをわずかな時間で可視化する実演を行いました。
課題深掘り・検証準備フェーズ
ペルソナシート、共感マップ、カスタマージャーニーをAIに作成させ、顧客インサイト抽出とインタビュー設計までの一連の流れを紹介しました。
成果とインパクト
- アイデア応募数 650件超 ── 過去最高を大幅更新。
- 参加者満足度 94%(「とても満足」「満足」の合計)。
- アーカイブ視聴回数 2〜3倍 ── 他セミナー比、復習動画で自走学習を促進。
事務局からの評価
- AIが質を底上げし、質の高い提案が増えた。
- 一人あたりの応募件数が増え、アイデアの多様性も向上した。
- セミナー直後から応募数が急増。
セミナー担当者さまのコメント
これまで「SPARK」は参加へのハードルが一定存在している状況でした。AIを活用することで、『まずは誰でも一歩踏み出せる』環境ができつつあると実感しています。印象的だったのは、応募人数そのものが大幅に増えたことです。AIで件数を容易に増やせるようになった今、「どれだけ多くの人が新規事業に興味を持つか」に注目しています。今後は、アイデア発想以外のSPARKの各フェーズにも、AIを組み込んでいくことも検討したいと思っています。
(関西電力株式会社 大畑さま)

関西電力 大畑さま
まとめ
本セミナーは、生成AIで大量にアイデアを創出し、段階的に絞り込む手法により、量と質の両立を実現しました。
7Rプロンプトや強制結合アイディエーションなど、社内で継続活用できる具体的スキルを提供した結果、アイデア創出の民主化が進み、これまで新規事業に縁遠かったメンバーの参画を促進できました。
今後は各フェーズに生成AIを組み込み、事業化サイクルをさらに短縮することで、社内起業制度自体をAI駆動型プロセスへ進化させることが可能です。01STARTは研修提供と伴走支援を通じ、企業さまのイノベーション創出をこれからも支援してまいります。
生成AIを活用したアイデア創出研修や社内新規事業制度のリニューアルをご検討の企業さまは、ぜひお気軽にお問い合わせください。